余波

 僕の好きな作家、中島らもは亡くなる1年前に大麻取締法違反で捕まっている。麻薬を題材にしたり、明らかにラリパッパ状態で書いたことが伺える作品があったりで、著作を知っている人ならば、
「逆に今までお縄にならなかったことの方が不思議」
と思っていたので、驚きはなかった。結局懲役10ヶ月、執行猶予3年の判決を受ける。しかし、ただでは転ばないらも氏である。その時の体験を本にして発表しているのだ。
 その中で印象的な部分がある。自分がやった事や招いた結果に対する後悔はないが、申し訳なく思う事があるとの事。それは、氏が逮捕される事で、今まで同じ罪で捕まった有名人の名前がまた報道される事である。的な事を言っているのだ。この先はからは自分の名前も報道されるのか、ということであった。
 なるほど、今日の朝も今まで捕まってきた芸能人たちのリストがテレビで流されていた。知名度はさまざまだけど、今年に入ってからもたくさんいるんだよね。忘れているやつもたくさんあったけど。ウンザリするぐらいに流されているのノリPの例の映像も、後一ヶ月ぐらいすれば全然廃れて、年末ぐらいにはは風化しているだろう。それでも、誰かがつかまる度にまた目にする事になるんだよね、きっと。
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 椎名誠の小説に
「雨がやんだら」
というのがある。雨がずっと止まずに、全てのものが水没しながら世界が静かに崩壊していく様を、少女の目線で書いた短編集である。特に派手な演出はないけど、世の中が少しずつ精神的に追い詰められていく様が丁寧に描かれている。

学校が休みになる
友達と遊べない
外にも出られない
弟が体を壊す
川が氾濫する
昨日あった家の屋根が見えなくる
家の壁がじっとりと湿り、カビだらけになる
使えない部屋が増え、家が少しずつ崩れ始める
隣のおばさんが、奇妙な行動を取り始める
弟が熱を出し、より具合が悪くなっていく
ついに一家はボートで脱出を試みるが・・・

と言った感じのストーリーである。追い込まれ方が上がっていく水位とともい嫌ーな感じに描かれている。

 僕は雨が嫌いではないが、今日の様な勢いで降られてはさすがにうんざりする。今日は通勤道に大きな水たまりが出来ていて、いつもは3分もかからない道を20分かけて通過した。渋滞の中心には強大な水たまりがあり、突破しようとする車のタイヤが丸々水に埋まっているのを見てさすがにびびった。1台が通ると波が立つので、両車線とも一台ずつ、交互に通過しているための渋滞であった。救急車がその水たまりにつっこむべきであるかどう迷っていた。僕の車では120%無理なので、あきらめて迂回した。あのまま行っていたら「雨がやんだら」の様に僕の車が水たまりにはまり、沈んでいたかも知れない。
 まあ、あまり降らないと困るけど、ここまでだと流石に困るよね。一説には太陽に黒点がない年は異常気象が続くらしくて、今年がそうなんだとか。これからもなんかあるのかな。
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夏になると見たくなる映画

 いい映画の絶対的条件として
「人生の中で2度は観る」
というのがあります。誰にでもたまあに見たくなる、この季節になると見たくなる、という映画があると思います。

 学生時代に友人の家に遊びに行った時、そいつの家に
「スタンド・バイ・ミー」

「風の谷のナウシカ」
のまだ封を切っていない新品VHSが置いてあった。よっぽど好きなのだろうなあ、と思いながら未開封である事の理由をきいたら、
「将来自分の子供に見せるために買ってあるんだ」
と言っていた。当時僕らは20歳そこそこだったので、かなり気が早すぎたことと、当時はまだDVDが存在していなかったので今では無用の長物になっているだろうって事を除けば、すごくいい評価のしかただな、と思ったことを覚えている。
 夏に見たくなる映画といえば、「スタンド・バイ・ミー」だよね。特に男子の場合は外せない1本である。異常に勢いがあるゲロ描写の場面とか、パンツの中に蛭が入っちゃう場面とか、スティーブン・キングならではの悪趣味なシーンはあるけど、ひと夏の冒険を描く王道の青春映画である。女の子が出てこない所も特殊といえば特殊かな。
 
 僕がこの映画は見たときは登場人物とほぼ同じ歳であった。単純に僕もそんな冒険をしてみたいと思ったものである。線路沿いを歩いたり、朝起きると静寂の中に鹿がいたりとそれはまさに冒険に思えた。そして彼らのその後の人生に対して抱く不安を、僕も理解し何となく共有していたと思う。それから時間がたって、僕も「大人」と呼ばれる時期に入ってから観るのだが、今度は
「自分にもそういった時期があったが、それは戻ってこない」
という事を理解する。この映画を通し、時間がたったという事と、自分の変化を再確認しちゃうんだよね。

 いい映画は人生の中では何度か観て、そして観る度に違う事を感じることが出来る。映画は変わっているわけでないもちろんないので、自分自身が変わっているって事になる。映画を通して自分の変化を感じるなんて不思議なことである。

 この映画には16歳の時のリバー・フェニックスが出演しているんだよね。当たり前だけど映画の中ではいつまで経っても16歳のままで、歳を重ねていく時分自身と比べてしまう所もある。今も生きていれば40手前ぐらいになっていたはずだが、彼の姿はいつまでも美しいままだ。色んな意味で考えさせられる映画である。
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スミソニアン

 昨日の夜中、ガレッジセールがスミソニアン博物館を紹介する番組をやっていて非常に楽しかった。スミソニアンを博物館といえば世界最大の博物館で、死ぬまでには一度は行ってみたい場所である。そのコレクションは量、質ともに世界最高のもので、それらが全て無料で展示されているのだ。映画「ナイト・ミュージアム」の番宣付きでCMと美味しいものの紹介がちょっとウザかったけど、仕方ない。
 剥製なんかでは日本の博物館も負けていないけど、宝石の所はさすがである。ライト兄弟の飛行機とか、アポロ計画関係のもの、原爆を落としたエノラ・ゲイ、リンドバーグの飛行機、月の石等、世界に一つしかないものが多く、他の博物館との差別化になっている。でも、なぜアメリカに世界中の歴史的価値があるものが集まるのだろうか。
 まあ、アメリカは歴史のない国だから、逆にこういった「歴史的に価値のあるもの」に惹かれるんだよね、きっと。スミソニアン博物館が世界一のコレクションを持っている事こそ、そのコンプレックスの現れ。ナポレオンの遺物とか、マリー・アントワネットの遺物とか、アメリカには関係のないものまでもを集めてきた。おそらくガムとチョコレートをばらまいて奪ってきたものなんだよね。これはもう、戦勝国だから、という理由が一番当てはまるのかな。大英博物館にはエジプトのものが多い事を思うと、戦争に勝つと負けるでは全然ちがうんだよね、本当。
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薬物問題

 僕がまだ10際か11歳ぐらいだった頃、大麻でラリパッパになった男に絡まれたことがある。その時僕は弟と一緒に歩いていた。行く先に2人組みの男たちがタバコを吸っていた。何となく変な雰囲気があったけど、僕らはそのまま歩いた。一人は地面に座って、もう一人は壁にもたれ掛かっていた。ちょうど横を通ったとき、壁にもたれ掛かっていた男の方が弟の腕を掴んだ。そしてそのまま離そうとしない。もう人地の男はなぜか笑っていた。僕は怖くて怖くて仕方がなかったけど、弟のもう一つの腕を引っ張って引き離して、2人で振り返らずに走って逃げた。地面に座っていた男はそのままただ笑っているだけであった。走って逃げる僕らの背中から笑っている男の笑い声がずっと続いていた。2人は追いかけてこなかった。弟と僕はなぜか両親には話さず、2人の秘密にした。
 絡んできた男たちの匂いをずっと覚えていて、もう少ししてからそれが大麻の煙だと知った。男たちの行動には大した意味もなく、ただガキをからかっただけの事だったと思う。でも僕は未だにその男の目を覚えているんだよね。僕はお笑い芸人の小島よしおが嫌いなんだけど、小島よしおの目が絡んできた男の目にそっくりであることが理由である。アレは絶対危ない。

 最近の騒動でこのことを思い出した。薬物汚染の話題が続きそうだけど、アメリカでは高校生になるまでに2人に1人(未体験率46%)は薬物を体験していることを思うと、日本もいつかそうなるだろう。薬物は収入が低い階層から広がっていくものだから、格差社会が今以上に進めばその数字もありそうだ。芸能人や一部の特権階級が好き勝手にやって苦しむのはどうでもいいけど、その波が一般社会に来ない事を祈るばかりである。
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世界が変わった日

 原爆が爆発したその時、生死を分けた瞬間がたくさん存在した。ピカッという光が見えた瞬間、教えられた通りに耳を塞ぎながら腹這いになって助かった人がたくさんいた。同じ部屋にいながらもその体勢を取れずに亡くなった人も同じぐらいにいたという。他にも、柱の陰にいて飛び散ったガラスを浴びずに済んだ、ちょうど防空壕を清掃中であった、家でしゃがんで靴ひもを結んでいたら、家は吹き飛んだけど低い姿勢を取っていた自分は助かった、等の話を聞いた事がる。生死を分ける瞬間というのは思いがけない所にあったみたいだけど、だからこそ何とも言えない気持ちを感じる事がある。
 
 この時期になると、戦後の日本の支えたものは何だったんだろう、と思う。今の僕らにはきっと想像も理解も出来ないものである事は間違いない。

 苦しい思いをした事のある人が共通して感じる事として
「自分の家族や子供に同じ想いが絶対にさせたくない」
というのがある。僕は、この「想い」が日本の希望の光となり、復興を遂げる原動力になったんじゃないかと思っている。上に書いたような、ギリギリの状況でで命をつなげた人たち、その気持ちが今の社会に繋がっているのだと思う。綺麗すぎる話ではあるけど、国家とは行っても結局は人と人の繋がりであるわけで、そこには理屈や計算じゃない何かが絶対にあるはずである。

 今月の終わりには日本の新しいリーダーが決まりそうである。日本は分岐点に立つこの時、この国を支えたすべての人々の思いが僕らを通して、未来に繋がってくれればいいと思う。
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思えば

 ここの所、色んな所に個人参加に行ってる。普段行かない所にも行っていて、久しぶりに誰かに会ったり、全く知らない人と蹴ったりしている。フットサル界は狭い。選手全員の過去を洗えばどこかしらで繋がりがあるんじゃないか、と思うぐらいに狭い。どこに行っても、名前は知らなくても顔は見たことがある事がやつは一人か二人は絶対いる。
 しかし、その全く逆で、当たり前だけど全然知らない人もいて、フットサル愛好者の人口は案外多いと感じる。その熱さやレベルは様々だけど、年齢、性別関係なしに楽しめるスポーツである事を再確認した。
 
 この前、久しぶりに、本当に久しぶりにスー、@4、@10と蹴った。蹴れるようになってから初めてだと思う。ということは、多分半年以上ぶりぐらいの事である。その次の日に@17とも蹴って、@33に久しぶりに会った。なんか、一緒に蹴っていると言葉に出来ない特別な何かがあるんだよね。楽しいとか、手を抜けないとか、仲間だからとか、互いの事を分かっているからとか、言い方はたくさんあってどれが正しいのかは分からないけど、きっとその「何か」があるから僕は未だに蹴っているのだと思う。
 同時期にフロリを退団した、年下だけど尊敬している元@16が市リーグに参加しているチームに入団するらしい。あいつの事だから、きっと活躍するに違いない。僕も今WEEDのみんなと市リーグへの参加を目指している。この先もその「何か」がたくさん生まれればいいなあ、と思う。
フットサル、サッカー | comments (177) | trackbacks (0)

語録

 昔、フロリの定期連絡を担当していたとき、メールの最後に「本日の一言」といって、偉人や有名人の名言を紹介していた。その時に結構人気があったのが押尾語録で、
「お前らの女は全員、俺とつき合えないからお前らとつき合っているんだ」
は特に反応が良かった。

 今日はどこもかしこも押尾話題で持ちきりだった。ただの薬物問題だったらここまで大きな事にはならなかっただろうけど、女性が亡くなっていたこと、そしてその死因が全く発表されないことから、この先もっと大きい事件になるんじゃないかという気さえする。亡くなった女性はホステス、アイドル、代議士の娘、と色々と噂が先行している。情報が明るみに出るにつれ事件の輪郭はしっかりしていくのだろう。

 それにしても押尾容疑者の扱いが面白い。番組によっては彼の逸話や語録で笑いを取ろうとしているものも見受けられるが、奥さんや子供がいること、そして死人が出ているという事で、完全にお笑いに転化できずちょっと中途半端な感じになっている。本当なのかネタなのか分からないものがたくさんある素材だけに、いくらでもいじれそうだが未確定事項が多い現時点ではそれが精一杯なのかな。

 それにしても今回の事件を受けて本人はどう感じているのだろう。薬物で逮捕、一緒にいたとされる女性は死亡、場所は都内の高級マンション、オーバードーズの可能性あり、女性が死んでいるのを知りながら現場から離れる。この転落っぷりは容疑者が憧れているロックスターのそのものなんだよね。なんだか皮肉だ。
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最近のゲームはすごい

 思えば、PS3を買ったのは足を怪我したときの事だった。フットサルをしたいんだけど出来ない、しかもいつ出来るようになるかは未定!という時期の事であった。このままでは死ぬか頭がおかしくなるから、こりゃなんか時間を潰せるものを買うしかない!という事でイキオイで5万円も出して買ってしまった。あれ以来定期的に電源を入れているんだけど、いかんせんソフトは本体と一緒に買った「メタルギア」しかないものだから、半ば宝の持ち腐れ状態であった。このままでは勿体無いということで新しいソフトを買いました。「FIFA09」というサッカーゲームである。サッカーゲームといえば今まではWEシリーズだったけど、最近では中身、レベル、面白さでこのFIFA09に抜かれているらしい。プレイしてみたら納得の完成度で、非常に面白い。細かすぎる所まで凝っていながら、とりあえずプレイしてみたいだけ、という人も楽しめる素晴らしいゲームである。
 でも、何がすごいってこのゲーム、ネットを通じて10対10が出来るんだよね。ガキの頃にファミコンでファミスタをやりながら、
「9対9で対戦できれば面白いかもね」
「守っている間暇じゃん」
「ピッチャーの取り合いだよね」
「キャッチャーは何するの?」
という会話を誰もがしたことがあると思うけど、それが想像していた以上のレベルでやってきた、という事だよね。しかも世界中の人たちと混じってやっているんだよねー。本当に不思議である。オンラインゲームにはラグが付き物だけど、それもないし。インドネシアのやつにプレッシャーをかけながら、イングランド人のチームメイトからパスを受ける。世の中すごいぜ。
散財もの | comments (23) | trackbacks (0)

何事も。

まあ、何をしても上手く行かない時はあるものである。仲間が苦しんでいるのに何も出来ない歯がゆさもあるけど、今は見守る事しか出来ないかな。ま、今までもそういう時期があったしね。必ず原因があるし、原因があるって事は答えもあるって事で、負けを糧にして欲しいと思う。必要以上に落ち込む事もないし、無理矢理前向きになる事もないと思うんだよね。普通に、いつも通り必死でやれば無駄にはならない、何事も。
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