< 2007年11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >

所有する事の意味

 僕が初めて自分で買ったCDはマイケルの「スリラー」だったと思う。当時は(今も)マイケルの事が好きで好きで、その曲を自分のものにしたくて買った事を覚えている。たしか当時は路上で売られる安いパチモノもあったけど、僕は本物を買った事を覚えている。音楽に「自分のものにしたい」という欲求を感じたのは恐らく初めてだったと思う。それこそCDがボロボロになるまで何度も聞き、ジャケットを細部まで凝視し、書いてある文字は全て読んだ。
 学生の頃も金がなかったので、CDを買うのは大きな決断だった。最後の最後まで吟味し、それでもまた良く考えて、やっと財布のヒモがゆるんだ。ない金で買ったものだから、大事に大事に扱った。ライナーノーツはもちろん、最後のサンクスまで読んで
「あ、この人が参加しているとか」「あ、この人にまた言葉を送っている」
と一人でに喜んでいた。金はなかったけど、2、3千円のものに大きな情熱を傾ける事が出来た当時は幸せな時代だったな、と今になって思う。
 ipodに代表されるメモリプレイヤー、配信、携帯電話など、現代の音楽の形は大きく変わっている。ま、音なんだから形はあってもなくても良いのだから気にならない人もたくさんいると思うけど、ディスク、ジャケット、ケースを含めて音楽だと思う僕にはなんだか味気なく写る。時代ってそういうものだろうけど、なんだか切ない。その内CDすらも知らない世代が生まれる事を思うと、それでいいのか?なんて思う。

posted by @6 : 21:08

Comments

Comment Form

yesno
< お疲れ様であります。 | top |