3Dとマイケル

 最近の流行で、そして今後の主流になりそうな3D映画。大画面TVとDVDのお陰で家庭での視聴のレベルが格段に上がった現在では、劇場が生き残る策として
「家では絶対に味わえない何か」
を提供していくのは当たり前の流れである。3Dはまさにそれで、今後メガネをかけて見る映画はどんどん増えていくと思われる。
 3Dは昔からあって、僕がガキの頃は片目が青のセロファン、片目が赤のセロファンで出来たメガネをかけて見るものだった。限りなく子供だましな感じがしていたので、そのイメージが未だに残っていて新しい3D映画を見ようという気分にならない僕である。

 そんなこんなんで、僕の中の3Dといえば
「キャプテンEO」
となのである。「キャプテンEO」は、ネズミランドにあった3D立体映画アトラクションで、マイケル・ジャクソンが宇宙で悪の女王と戦いながら歌と踊りで世界を救うストーリーである。調べてみたら稼動期間は87年3月から96年9月まで、かなり長い期間なんだよね。僕が体感したのはきっとかなり後半の方で、その頃にはちょっとした古めかしさと当時のマイケルの立ち居地もあって、ちょっとダサいおまけ的な扱われ方をされていたアトラクションであった。他のアトラクションに比べ並び時間が圧倒的に短かったしね。マイケルファン以外の人たちには「歌とダンスで世界を救う」というくだりもちょっとアレだったのだろう。

 マイケルが亡くなったこの時期に3Dが流行りだすのも何か意味がある事なのかな。当時としては3Dのアトラクションは画期的なもの。膨大な金がかかっていたという話で、マイケルは本当に先鋭的なことをやってきたのだと改めて思う。今流行っているものを20年前に形にしちゃているのだからね。
 実は来年の1月から、アメリカのネズミランドで「キャプテンEO」が復活するかも知れないという噂が流れている。噂の域をでないし、信憑性はイマイチだけど、時代というのは行っては戻ってくるものだからない話でもないかな。
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社会

 パニック映画によく、
「災害に襲われた町の住民たちが食料品を求めて販売店を襲う」
という描写がある。食料や水だけでなく、ドサクサに紛れて関係のない電化製品を盗む輩も良く描かれる。映画で見ると
「あー、またこのパターンね」
と思うけど、本物の映像がニュースで流れると、その純粋なまでの暴力には恐ろしい何かを感じる。さっきまで社会の当たり前のルールが通用していた場所で、何かのきっかけである瞬間にそれが崩れる。その瞬間まで普通であったろう人々がガラスを割り、品物を運び出しそれを奪い合う。人間性を保つのは環境なのか、って思う。

 今年の初めぐらいに、不景気がこのまま続けば販売店を狙った強盗が増えるかも知れない、という注意を受けた。ちょうどその頃、目と鼻の先のコンビニで強盗事件が起きたばかりで、防犯のルールや警察への通報の仕方などを確認したばかりであった。なんだか社会の風向きが嫌な方向に向いているなと思ったのを覚えている。
 そして少し前に仲間の家に空き巣が入った。本人やその家族に何事もなかったので一安心だが、何とも言えない気持ち悪さがあって、心のどこかに
「まさか自分には起きないだろ」
という甘えた心を一喝させられた気分である。気をつけなきゃと思うのと同時に、この先の社会はどうなるんだろう、と不安を感じている。治安の悪さの原因は景気の悪さであると言われているからだ。
 
 日本で災害は起きても、それを利用した暴動は起きない、という美談がある。空き巣や火事場の泥棒はあるが、海外でのような大きな暴動は起きないことは日本人の素晴らしさや成熟した社会を表している、と。実際、東京大震災や阪神大震災でも暴動は起きず、奪い合うどころか、人々は助け合ったと言われている。でも、今の社会で同じようなことが起きたら、どうなるのだろうか。ちょっと不安である。

 普段は心の豊かさや人間としての正しいあり方を時、清くあろうとする人間だけど、実はその理想は「金」という基盤に乗っていることがバレてしまった気がしてすごく残念である。環境が変われば人は変わり、人が変われば社会が変わる。犯罪に走る人と走らない人の間には深い溝があると思うんだけど、環境がその溝を跳ばせるってことかなあ。
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この時期になると思い出す。

 この時期になると毎年思い出す出来事がある。学生時代の思い出で、特にこれと言った派手な出来事でもないけど、不思議と頭に残っているんだよね。

 学生時代のバイト先の先輩の引越しを手伝ったことがあった。この先輩は関西の有名な大学に通っていたエリートで、育ちの良さみたいなものも見えるものの、面倒見のいい先輩で僕にも親切に接してくれた。この先輩は早々に有名な所に就職を決め、後は卒業を待つだけの身分であった。もう12月だし、あとはテキトーに遊んで4月から社会人だぜ、なんて言っていた矢先、いきなり大学や辞めたのだ。おまけに親に相談しないででの行動だったようで、揉めに揉めた末、勘当されたのである。
 親も怒ったろうが、周りの僕らも先輩を多いにしかり、さすがに先輩もことの重大さを感じたのかフラフラすることもなく、すぐにバイト先のオーナーに頼み込み社員として採用してもらった。家を早くでたいという思いもあったに違いない。というわけで店長とその先輩ともう一人の先輩と僕の4人で引越しをする事になったのである。

 僕は普段から車を使って配達のバイトも掛け持ちでやっていて、運転に慣れているだろうということで、トラックを借りてくる役目が振られた。20歳そこそこのガキがレンタカーでトラックを借りるのは不思議だったようで、色々ときかれたのを覚えている。
 先輩が両親と住んでいた高級なマンションから荷物を降ろし、トラックに載せた。とにかく寒い。12月の真夜中だから当たり前なんだけど。光も少なく、あちこちに家具をぶつけながら、しかしなるべく音を殺しながら家具を運んだ。男の一人暮らしの荷物はたかが知れていて、作業は1時間ぐらいで終わった。恐れていた親との対面をなんとか回避し、先輩の新居となるアパートに荷物を運ぶことになった。
 先輩の新居は歓楽街に近い、細い道に面したワンルームであった。築30年は経っているであろう、漫画に出てくるようなボロアパートであった。周りの住民は明らかに歓楽街の住人達で、すこし怖かった。いい加減疲れていた僕らは黙々と作業を続けた。音を出さないように頑張ったのだが、金属の階段を上がる時の音はどうにも出来ず、隣のフィリピン人っぽい女性を起こしてしまったようだった。ドアを開け顔を出したので怒られるかな、なんて一瞬思っただけど、彼女は何も言わずまたドアを閉めた。
 荷物を運び終わると、礼を込めて先輩が焼肉を焼いてくれることになった。朝の4時すぎに焼肉はどうなんだ?とみんな思ったけど、その時僕らはハイな精神状態になっていて何でも来い!という状態だった。焼肉が焼きあがるのを待ちながら、僕は安いペンキで塗られた新居の壁を見ていた。黙々と煙があがり、小さな換気扇はその煙を排出できずに、部屋は煙だらけになっていった。ハイな状態が覚めていくのを感じながら、先輩はこの先どうするんだろう、と思った。僕らは黙々と食べながらバカ話をしたが、先輩の行動について触れる事はなかった。

 別に・・って話だけど、夜中寒いときに当時の事を思ったりする。僕らは全員、
「なんて勿体無いことしているんだコイツは」
と思っていたけど、先輩の笑顔を見ていると
「まあいいか」
と思ったものである。今思えば大学を辞めことも、すぐに就職を決めたことも軽率な行動なんだけど、誰にも先輩を裁く権利はない。人の価値観は様ざまで、その行き先も同じように無限にあるって事を知った夜であった。
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シーズン突入

pesebre ついに我が家もクリスマスシーズンの突入した。今日帰宅したら玄関にクリスマスツリーが立っていた。毎年と同じだけど派手すぎる訳でもなく、地味すぎず、そのちょうど良さが好きである。自宅のイルミネーションに命をかける家もあるけど、あまり好きではないんだよね。力を入れるのなら、気合の入ったpesebreを作って欲しい。
 「ペセブレ」は写真のように、人形でキリスト誕生の瞬間を再現したクリスマスの飾りである。クリスマスツリーと一緒に作るもので、限りなくセットだと思うんだけど、ツリーの文化だけがそろったのかな、日本ではツリーのほうが断然多い。海外ではこのペセブレに力をかける家庭は多く、原寸大の人形を作ったり、本当に馬小屋を作ったり、この時期だけ庭を飾り付けるのだ。本物の人間が登場人物に化け、キリスト誕生のシーンを再現するイベントもあったりする。俳優達はピクリとも動かないので、人間なのか超リアルな人形なのかが分からなくて非常に怖かったのを覚えている。ちなみのこれは我が家のペセブレ。地味だけど東方の三賢人、大天使ガブリエルまでちゃんといます。動物もあれば完璧なんだけど。mi_pesebre
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成長が怖い

 人生で何度かあるモテ期の一つの真っ最中の私です。姪っ子限定だけど。こんなところで使ってしまったらどうしよう。僕の何が好きなのか全然分からないけど、毎日のように家に来ていて、僕が家に帰ると「キャー」と叫びながら抱きついてくるのだ。1歳ちょっとの生き物にハッキリとした感情表現があるのは正直驚きである。
 最近では一人だけで歩けるようになっている。歩くというより、走っているに近いときもあって気が気じゃない。しかも僕のあとついてくるのでちょっと困ったりしている。僕の部屋が2階にあることを憶えてしまって、かってに階段を上ろうとするんだよね。階段に入れないように小さな扉をつけているのだが、こんなことをするのって飼い犬が小さかった頃以来のことである(笑)。最近では犬に食べ物をあげたり、持っているものを人に渡したり、美味しい、嬉しいのサインがあったりで、少しずつ成長している様子を見れるのは面白ろい。きっとこのままあっという間に成長していくのだろう。
 良く分からないのは、誰もが教えていないことを時々やったりするんだよね。誰かのマネをしているろかなら分かるけど、そうでもなさそうだし・・・。本当、成長というのは怖いものである。
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いつから大人になれるのか

 今年観た映画のタイトルを見ながら気付いたんだけど、
「大人が恋や自己実現に悩む」
というものが多かった。もちろん、そういう内容の映画はいつだってあったんだけど、最近はすごく多い気がする。大人になってみて
「想像していた自分、ありたい自分」
とは全く違う姿になっている自分に気付き、奮発して自分自身を変えてみたり、それでもいいじゃないかと自分を認めたりする展開が多い。いい歳をした大人が頑張る姿は滑稽ではあるけど、途中から応援してしまう不思議な魅力がある。
 僕も大人と呼ばれる年齢にはなったものの、正直中身は中2の頃とあまり変わっていないのではと思う。そしてそれは僕だけではない。社会に出ると大人と呼ばれる皆様はそう大人でもなかったり、逆に僕より精神的に幼い人もいる事に驚く。そして社会そのものも成熟したものではなく、子供のように未完成だって事に気付く。きっと「大人」というのはそう簡単になれるものではないのだろう。
 年の瀬が近づくと、今年自分がやった事、やらなかった事を考えたりする。毎年毎年去年と変わってないなあという答えに行き着くんだよね。少しでも成長出来ていればと思うけど、きっと大した変化もなくこのまま時間が過ぎるのだろう。大人になっても映画と同じ様に悩むんだろうなあ、きっと。薄々そんな感じがしていたけど。
日々 | - | -

もう来年を生きている

 TVで年賀状のCMをやっていて
「年賀状を書いている私はもう来年を生きている」
というキャッチコピーで締めていた。なるほど、上手いことを言うなあと思ったものの、
「明日交通事故で死ぬかも知れないじゃん」
と一人で突っ込んでしまった。年の瀬にそんな不吉なことを考える事もないなあ、と自分でも思う。
 免許の更新の講義の中で、交通事故の様子を納めて映像を見せられたことがある。もはや何だったのかが分からないぐらいに折曲がった車体、飛び散ったガラス、そして血痕。かなり生々しい映像で、帰りに車に乗り込む時にその映像を思い出し
「気をつけなきゃな」
と思ったのを覚えている。そういう意味では効果テキメンだったと言える。

 仕事におけるペースなんだろうけど、僕は1週間単位で生きている。現在進行中の1週とその次週の予定は頭の中にあるのだが、それ以降は全く入っていない。1週間が終わるとまた1週間更新され、その繰り返しである。だいぶ先に予定があるとなんとなく覚えているけど、逆にその先のことをあまり考えたくないという事もあるんだよね。
 長さは違えど、きっと誰にもそういった時間の経過を把握する単位があると思う。年賀状を書く人はそれこそ結構長いのだろうなあ。12月が始まったばかりだから、来年のこと何てまだ分からないぜ。仕事では三ヶ月先まで考えろ!なんて良く言われるけど、今でも遠くに出かけるとき、誰かを車に乗せるときにあの映像を思い出すことがあって、
「とりあえずは今日が無事故でみんな元気で終わればいいや」と、
この際1日単位でもいいかな、なんて思う。来年のことより今日だぜ。
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ハリポ

 遅ればせながら「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を観た。英語のサブタイトルは「Half-Blood Prince」だから本当は「謎の〜」ではなく、「半純血のプリンス」というタイトルにすべきだろうけど、印象が良くないのかな。このタイトルはこの映画でのオチみたいなものになっているだけにもったいない。

 「ハリー・ポッター」は子供に人気のある作品ではあるが、相変わらず映画は暗い。あまりにも重過ぎる自分の運命に苦しむハリーは今回も何度も死にそうな目に合う。今回は大事な人をもなくし、最後にはいよいよ避けられない戦いへと足を踏み入れていく。前編を通して葬式のような暗い場面ばかりで死を連想させる描写が多い。恋のどーのこーの、みたいな場面もあるけど明らかにオマケ的な扱いで、それらが軽ければ軽いほどハリーの「どうしょうもない不幸さ」が引き立つのだから良く出来ている話である。

 ハリーはスター・ウォーズの「ダース・ベイダー(アナキン)」なみに不幸なキャラである。孤独と愛する人の死で苦しむのも同じ。思えば戦いへの準備をしていくこの映画はスター・ウォーズのエピソード3 シスの復讐」に良く似ている。アナキンはダークサイドに落ちていくけど、次作の
「死の秘宝」
ではハリーのそういう描写もあるらしい・・。今から楽しみだ。
映画 | comments (3) | trackbacks (0)

 この度ずっと欲しかったNSWのジャケットを買ってしまいました。男としては後悔していないんだけど、人間としてはやや気持ちにかげりがあるのは隠せない(笑)価格である。とはいえ非常に満足している。
 新しい服を雨の日に着るのは気が引けるものですが、今日はここぞとばかりに着てやりました。なぜなら、このジャケットはGORETEX搭載だからです。
 前にも書いたけど、GORETEXは厳しい品質基準によって作られた生地で、網目が細かい。内側からの蒸気は通すが外側からの水は通さない。とにかく撥水力がすごいのだ。
 今日歩きながら
「いい具合に弾いている!」
と満足感を感じていた。水を弾いている様子を見ようとして、腕を顔に近づけたらなんとびっくり、折り目に乗った水滴が完全な球体になっていたんだよね。腕を伸ばしたら折り目がなくなり、水滴は生地の表面を滑りながら落ちていった。ちょっと感動であった。いい買い物をした。それだけの話です・・。
散財もの | comments (5) | trackbacks (0)

気持ちがいい

 ずっと室内で仕事をしている人ならわかると思うけど、たまに外に出ると気持ちよく感じる瞬間がある。夏はクーラーの下で、冬は暖房の下で過ごすのは快適なんだけど、夏なのに寒かったり、冬なのに熱く感じる時もある。太陽が出ていれば今の時期でも昼間は暖かく、歩いていると何となく気持ちいいんだよね。
 今日、店の外仕事をした。天気も良く、風を感じながら作業をしたんだけど、時間が過ぎるのがいつもより早く感じた。顔を上げると緑色だった木々が赤や黄色になっている事に気づく。空気は綺麗ってわけでもないけど、室内にいるよりはいい。仕事中ではあるものの、季節を感じられて気持ちよかった。こういう事が最近頻繁にあって、
「もしかして仕事の選択を間違えたんじゃないか?今の仕事よりこっちの方が向いているんじゃないか?」
と思ったりもするけど、たまあにだから良いのであって、毎日がそれだったらそうは思わないだろう。外で働くのはすごく大変なことで、気持ちよく思えるのは1年にそう何日もないだろう、本当は。雨の日も風の日も外で働いている皆様はこれを読んで
「わかってねえなあ、そんな甘いものじゃないぞ!」
と思っているに違いない・・・。
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