宇宙で七転び八起き

 今日の朝のニュースで見たけど、小惑星イトカワをからサンプルを採取する目的で打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」がちゃんと地球に帰ってこれるらしい。「帰ってこれるらしい」と書くと大変な快挙のように思えるけど、実はこのはやぶさはトラブルにつぐトラブルで、途中で2ヶ月ぐらい行方不明になっていたりしたんだよね。もう、「アポロ13」とか「アルマゲドン」をも超えるドラマなのである。
 まず、2003年5月に打ち上げられてからすぐエンジンが故障。4つあるエンジンのうちに1つがダメになって残りの3つで飛行を続行。さらに3つある姿勢制御装置の2つが故障し、バランスを失うが、燃料噴射でバランスの立て直しに成功する。機能半分で飛び続けて、2005年11月ににイトカワ着地。でも滞在時間はたったの2秒。この間にイトカワに玉を打ち込んで、はね返ってきた小石や砂利を採取する作業を成功させる。帰るぜ!って所で燃料漏れが発生、これでまたバランスを崩して、不規則に回転し始め軌道から外れてしまい行方不明に。広い宇宙での行方不明だから、世の中はあきらめムードに。しかし、あきらめないJAXAは毎日電波を飛ばし捜索した結果、2か月後に20秒間だけ交信可能となり、何とか軌道を修正することができた。しかし、ここからもまたドラマが。今度は機能していた3つのエンジンのうち2つが故障、残る1つのエンジンも危ない状態に。しかし、ここで
「あ、最初に壊れたエンジンってほとんど使っていないよね?」
ってことで、最後のエンジンと一番最初に壊れたエンジンの機能を融合させ、なんとか帰路につけることになったのである。
 はやぶさは結局45億キロも宇宙をさまよった。任務はたったの2秒だったのに、出発から7年、(予定では4年だったんだけど)やっとの帰還となるのだ。しかし、ここからが泣けるところで、はやぶさ自身は成層圏で燃え尽き、石や砂利を納めたカプセルだけが回収される予定なのだ・・・。

 あんまり報道されないけど、はやぶさには自分で問題を発見して自分で治そうとする人工知能が付いている。ピンチの度に補助エンジンや代替システムなどを駆使して、故障箇所を修理できたのはそのためである。その姿がから
「どう考えても生きているとしか思えない」
という声もあがっていて、人気があるらしいだよね。これが映画だったら、満身創痍のヒーローが世界中に見守られながら帰ってくる様子が感動的に中継されるんだけど、現実は残酷である・・・。はやぶさお守りとか欲しいわ。
日々 | comments (13) | trackbacks (0)
calendar
<< March 2010 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
selected entries
categories
archives
recent comments
profile
others