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ワーキング・プア

 昨日のニュース番組でネット喫茶に寝泊まりする若者の特集をやっていた。彼らは様々な事情から家を飛び出し、日雇いの仕事をしながら夜は漫画喫茶等で座って寝る、という極貧生活を送っている。彼らは派遣業者に登録しており、そこから仕事をもらい、その日暮らしを続けている。前日に電話で仕事をもらい、当日に仕事をし、その夜また電話で仕事をもらう。現場は毎日違う場所で、いわゆる使い捨ての労働力である。
 僕が大阪で学生だったときに短期のバイトで、派遣アルバイトに登録して働いた事がる。仕事の種類は様々だが、僕の中ではとても嫌なシステムで辞めたくて仕方がなかった。とにかく面倒くさいのだ。派遣業は穴を開けては絶対に行けないので、
「番号○○○○、今家をでました。」
「番号○○○○、今集合場所に着きました」
「番号○○○○、今作業終わりました」
と、細かく連絡をしないといけないのだ。何より嫌だったのが、毎回現場が違う事。近くならいいが、遠方だったりすると交通時間を毎回計算しないといけない。遅刻は厳禁なので、常に落ち着かない感じになるんだよね。とにかく嫌で嫌で、仕事をもらいに電話するときに「ない」と言われると安心したような、でも働かないと金がないから困ったどうしょう・・・、という複雑な気分になった。
 僕はやっていた当時はまだ状況が良く、仕事がたくさんあって、一ヶ月単位や一週間単位での仕事がもらえた。これは毎日同じ現場で同じ人と働けるのでやりやすかった。が、最近は仕事の量が少ないようで、こういう事は少ないらしい。男ともなればもうキツい、汚い仕事は当たり前で、交通費の出ない所もあるようだ。
 当時の僕には学生という肩書きがあって、とにかく金のためという意識があったから良かったものの、ニュースでの彼らは将来への不安を常にかかえている。将来への保証もなければ、希望もない。今日を生き抜く事で精一杯なのだ。家や部屋がない生活は想像出来ないけど、経験したいとは思わない。
 このニュースを見た時に、僕は
「パチンコ屋で住み込みで働けばいいじゃん」
「新聞配達を住み込みでやればいいじゃん」
と思った。その生活が気に入らないのであればそいう手段もあると思うけど、そこは個人の問題だからなんとも言えないのかなあ。
 いつか早朝野球の球場に自転車で向かっていた時に、地面にうつぶせに倒れている浮浪者がいた。動かない事から、恐らく死んでいたのだと思う。人間がはこうなる事もあるのか、とその時に僕はとても怖くなった事を憶えている。こういうときに誰に責任があるのか、と言う話になる。本人が悪いのか、社会が悪いのか。どっちも悪いのか。わからない。

 

posted by @6 : 16:46

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