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自分らしくある事は簡単ではないのだ

 職場の駐車場の近くにサビれたアパートがあって、その部屋のどれかに若いヤンキー君が住んでいる。退社する時に、自慢のバイクを引いている彼とすれ違う事が何回かあって、ヤンキーともなれば怖いハズなんだけど、ケンカでもにらみ合いでも僕の方が強いんじゃないか、と思うぐらいの若い子である。彼のバイクの音が聞こえるたびに、
「あ、アイツ家を出たんだ、うるせえなあ」
といつの間にかそう思う事が僕の中でも日常になっていた。
 彼が引くバイクは明らかに違法改造されたもので、その音も決して格好いい音ではなく、不調なエンジンが発するそのものである。、彼の格好や済んでいるアパート、そして彼のマシーンからは
「金がない」
という事が見て分かる。しかし、そこは面子を大事にするヤンキーである。ボロボロのバイクを引く彼は精一杯の威勢を張るために背を伸ばし歩いている。その姿は滑稽を通り越し、見ている僕は何だか悲しくなる程である。
 僕と彼の遭遇は何度かあって、少し前はエンジンがかからずに何度もキックを繰り返す姿を見た。これまた悲しくなる風景であった。自分でありたい自分であるのは大変なのだ。それがヤンキーともなると、余計大変だったりするのだろう。
 そして今日は彼女らしき女とケンカしている姿を見た。彼は大声を上げながら、部屋のドアを蹴っていた。開けっ放しにされたドアはガタンと大きな音を立てながら壁にぶつかり、また嫌な音を立てている。
 僕が自分の車に乗り込む時には女は原付に乗り込み、ノーヘルでどこかへ消えた。座り込むヤンキー、気持ちをどこに持っていけばいいのか分からないのか、時々思い出したかのようにまたドアを蹴っている。僕はちょっと離れた所から見ながら、また何だか悲しくなる。そして思った、くだらない、と。

posted by @6 : 23:38

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