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古書への憧れ

 人間の歴史がいつ始まったかというと、それは書く事を憶えた瞬間であろう。口述でなく、書くことで後生に何かを残す事は動物にはない、人間ならではの崇高で文化的な行為である。それを書いた人間が死んでも、書くことで何かを残し、それを次世代の誰かがより高い次元に上げる。これは人間が知性を発達させる事であり、教育であり、歴史を作る事なんだよね。

 ジョニー・デップの映画で「ナインス・ゲート」というのがあって、世界に3冊しかない本を取り合う話である。それらの本には重大な秘密が隠されており、3冊を揃えた者のみがその秘密を知る事が出来るのである。
 この映画ではオカルトな味付けがされているけど、古書に対する評価は大変なもので、歴史的な資料としてはもちろん、時代を越えて存在する事への評価でもある。印刷技術が生まれるまで本は手書きでコピーされたわけで、数は圧倒的に少ない。その数の少なさもまた所有するものにとってはこれ以上ない優越感だろう。
 文盲が当たり前の時代に、極一部の限られた人たちが怪しげな奇術が書かれた本を回し読みする・・・。中身は錬金術や死者の蘇生方法、秘密結社の儀式を描いているのかも知れない。常識も価値観もまったく違う現在と比べると、読んでいるその瞬間の気持ちよさは想像もできないぐらいに凄いんだろうなあ・・・。それを想像しただけでワクワクするのは俺だけ?
 
 というわけで僕は古書を持ちたいと思う。読めるかどうかは関係ない!今から必至で勉強して歴史研究者になるか、博物館のオーナーにでもならない限り手書きコピーの時代の本を触る事は無理なので、ここはゲーテの初版本、それも「若きヴェールターの悩み」が欲しいと思ったので調べてみた。結果をいうと存在はしているみたいだけど、奈良大学の図書館の金庫に稀覯本として収蔵されているらしい。やっぱり個人で持つ様なものじゃないのね・・・。

posted by @6 : 16:54

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