2009/1/21 水 | 2009.01
アメリカってすげー
昨日の夜中、リアルタイムでオバマ大統領のスピーチを見た人は多いと思います。僕も見ていたのですが、TBSとフジテレビで同時通訳を行っている人が違っていたみたいで、明らかにフジの方が聞き取りやすかったですね。フジは字幕も出ていたし、事前にスピーチの内容を手に入れていたのでしょうか。
オバマがスピーチを行う中、カメラは観客をアップで抜くことが多かった。あえて色んな人種の人をアップにしていたように思いますが、誰もがマジメな顔で声に耳を傾けるなか、一人の黒人男性が大きなアクビをしていて微笑ましかったです。たとえ群集の中の一人であっても油断できない時代になりました。
それにしても感動的な瞬間でした。アメリカに黒人大統領が生まれるなんて事は映画の中の出来事だと思っていました。アメリカが「差別」の壁を乗り越えたと言えるかどうかはもう少し時間が経たないとわからないことだけど、たとえ昨日だけのことであったとしても偉大な一日であったことにちがいはない。
僕の生い立ちが特殊なこともあるだろうけど、僕が番最初に理解した社会の仕組みは「差別」である。差別は決してなくならないこと、そしれこれからずっと付き合って生きていかないことを僕はガキの頃に悟りました。変な話、性に目覚める前にすでに理解していたと思う。差別には理由も目的も解決方法もなく、そして空気と同じように常にそこにあるもの。それが怖いとか嫌だとか悲しいとかそいうものではなく、ないという状態がないわけだから、もう当たり前だったんだよね。
そしてここに来てオバマの登場である。父は黒人、母は白人、ハワイ生まれのインドネシア育ちのオバマは特殊な人物である。生まれたとはイスラム教徒でありながら後にキリスト教になり、黒人でもなく、白人でもなければアメリカ本土で育ったわけでもない。誰でもないのに、誰にでもなれる不思議な人物である。黒人であり、白人でもあり、インドネシア育ちだからある意味アジア人でもある。その姿は誰をも受け入れ平等にチャンスを与えるアメリカそのもので、あの眩しさはそこから来るのだろう。
でもやっぱりすごいのはアメリカ国民。根強くあった差別の壁を乗り越えての投票だったわけで、そう簡単に出来るものではない。理想は常に難しいものだしね。願わくはその決断が良い結果を生む事である。
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