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迷宮入り犯罪史

 未解決のまま時効を迎えた犯罪で有名なものといえば、三億円事件である。内容に関しては説明するまでもなく、そしてあのキツネ目男の写真はあまりにも有名である。三億円事件は暴力に訴えないその鮮やかな犯行とその怪傑さから良くも悪くも多くの人の感心を集めた。
 とにかく三億円の現ナマを盗ったわけだから、当時の給料やボーナスは現金払いだったんだよね。この事件を境に銀行振込が主流となっていくわけだから、影響は計り知れない。犯人は多くの遺留物を残していたのですぐ捕まると予想されていたのだが、どれも大量生産のものばかりで役に立たなかった。時代が味方だったんだよね。
 この事件で面白いのは、あの有名なモンタージュ写真は事件と無関係の、すでになくなった人の写真であった事。写真はモンタージュ、つまり「こんな感じの顔」のハズがいつしか「犯人はこの人」になってしまって、イメージが強すぎて逆に犯人を逃してしまったのでは、という切見方ある。三億円事件には都市伝説レベルの話もたくさんあって、例えば
「犯人は警察の偉い人の息子で事件直後に自殺している」
「事件はでっち上げで、当時先鋭化していた学生運動のアジトをローラー捜査するための理由作りである」
等がそうだ。
 三億円の札は全て番号を記録されていて、現在までに一枚と使われていないと言われているが、これは正式発表があったかどうかたしかではないので真相はわからない。未だに色々な本が出たり、映画になったりする事を見ると、興味をそそるものではあるんだよね。

 三億円事件の魅力というのは、誰も傷つける事なく犯行に及び、成功してしまった事(保険会社は大変だったろうけど)。日本の警察の優秀さや事件の話題性を思うと当時の警察は死にも狂いで総力を上げて捜査したんだろう。その網をかいくぐった上金に一度も手を付けない犯人。当時の権力に対する嫌悪感に完璧に答えている。完璧な計画に見えながらも、そうでもない遺留品の残し方。そしてこれらのどれもが決定打にならない強運。うーん、興味深い。

posted by @6 : 23:35

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気まぐれ the blog! 迷宮入り犯罪史

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